24日午後8時5分ごろ、桜島(鹿児島県)の南岳で爆発的な噴火が発生し、大きな噴石が火口から約2・5キロに飛散した。気象庁は噴火警戒レベルを3(入山規制)から最も高い5(避難)に引き上げた。噴火警戒レベル5が出るのは、2015年5月の鹿児島県・口永良部島の噴火以来、2度目。桜島が5に引き上げられるのは初めて。
鹿児島地方気象台によると、火口の南2・4キロの鹿児島市有村町に民家があり、噴石が2・4キロを超えた場合は噴火警戒レベル5に引き上げる基準となっている。今回、2・5キロに達したことから引き上げを判断した。大きな噴石が2・5キロに達したのは、20年6月4日以来。
福岡管区気象台などによると、桜島では18日から山体膨張を示す地殻変動が起き、22日に1回、23日に4回の噴火を観測。今回の噴火で直前の山体膨張は解消されたものの、18日からの膨張は解消されておらず、今後も同規模の爆発的噴火が起きるおそれがあるという。
気象台は火口から約3キロの範囲に噴火に伴う大きな噴石が飛散する恐れがあるとして、避難を含む厳重な警戒を呼びかけている。また今回の噴火で火砕流は観測されていないが、火口から約2キロの範囲で火砕流が起きる恐れがあるとして警戒を呼びかけている。
噴火を受け、鹿児島市は桜島の高齢者福祉センター「東桜島」に避難所を設置。対岸の市街地側に設ける予定はないという。
また島内の同市有村、古里両町の一部に避難指示を検討。午後8時半時点で、被害の情報は入っていないという。
ホテル関係者「まだ灰は降ってない」
桜島の南側にあるホテルの関係者は24日午後9時10分ごろ、朝日新聞の電話取材に対し、「噴火の音は聞こえなかった。いま現在は灰は降っていない。風向きを見たら、北の霧島の方に向いていたので、うちのホテルはまだ大丈夫かなと思った。ただ噴火警戒レベルが上がったので、避難の準備をしている」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル